第十四条
1 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
司法書士試験・行政書士試験受験対策☆憲法条文↑
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司法書士試験・行政書士試験受験対策☆憲法条文解説↓
1 法の下の平等の意味
(イ)法適用の平等と法内容の平等
「法の下に」平等とは、立法者を拘束するか争いがあります。
①立法者非拘束説
「法の下に」平等とは法の適用の平等を意味し、立法者を拘束しないとする説です。文言上「法の下」に平等とある以上、法の存在を前提とし、その適用について平等を言っていると読めるからです。
◆⇒批判
法内容が不平等であれば、その適用をいくら平等にしても不平等は残るという問題があります。
②立法者拘束説(通説)
「法の下に」平等は立法者をも拘束し、法内容の平等まで要求しているとする説です。平等原則は法の適用に当たる行政権、司法権のみならず、法を制定する際にも要求され、立法者をも拘束するとする考え方です。
(ロ)絶対的平等と相対的平等
ここでいう法の下に「平等」は、どういう意味か争いがあります。
①絶対的平等説
平等とは、事実的差異を無視し、全ての人を完全に均等に扱うことを意味すると考えます。
②相対的平等説(通説)
平等とは、事実的差異を前提として、同一の事情と条件の下では均等に扱うことを意味すると考えます。事実状態が異なる場合には、合理的な理由のある区別をすることは許され平等原則違反ではないと解します。
人にはさまざまな「事実の差異」があるから、それらを無視して機械的に均一に取り扱うことはかえって不合理を招くからです(絶対平等であると、赤ん坊にも選挙権を与えるとなる等)。
2 合理的差別の判断基準
相対的平等説をとると、何が合理的な取扱で、なにが不合理な差別化が問題となります。
判例は「目的と手段」の両面から合理性を判断しています。
☆旧刑法200条(平成7年削除)は、普通殺人に比べ尊属殺人に重罰を科していました。これが憲法14条に違反しないかが問題となった事件(尊属殺重罰規定違憲判決)。
判例は、立法目的と目的達成の手段の両面から合理性があるか否かを審査し、尊属に対する尊重報恩という目的は正当であるが、手段が法定刑が死刑か無期かに限られている点で目的達成のための必要な限度を超え、違憲であるとしました(最S48.4.4)。
☆非嫡出子の相続分が嫡出子の2分の1とされていること(民法900‐④)が法の下の平等に反しないかが争われた事件(非嫡出子相続分規定合憲判決)。
判例は、法律婚の尊重と非嫡出子の保護の調整という立法目的には合理的な根拠があり、その手段も右立法目的との関連で著しく不合理であって立法府に与えられた合理的な裁量判断の限界を超えたものということはできないとしました(最H7.7.5)。
☆大学教授が、サラリーマンの租税負担が他の事業所得者に比べて高いのは、憲法14条に違反するとして争った事件(サラリーマン税金訴訟)。
判例は、租税法の分野における所得の性質の違い等を理由とする取り扱いの区別は、その立法目的が正当なものであり、かつ、当該立法において具体的に採用された区別の態様がこの目的との関連で著しく不合理であることが明らかでない限り、その合理性を否定することができず、憲法14条Ⅰ項に反するものではないとした(最S60.3.27)。
3 議員定数不均衡判決事件
(イ)投票価値の平等
選挙権の平等は、「一人一票」の形式的平等が守られれば足りるというものではなく、各投票が選挙の結果に対してもつ影響力の平等すなわち「投票価値の平等」をも要求するとするのが判例・通説です。たとえば人口較差が1:5の場合、一人1票を与えたとしても、実質的には片方の住民には一人5票を与えたのと同じことになり一人一票の原則に反することになるからです。憲法14条は、選挙権に関しては、投票価値の平等まで要求したものと考えられます。
(ロ)較差の合理性
議員一人当たりの人口較差は、1:1が望ましいとしても技術的な困難性もあり、また人口比以外の政策的要素や技術的要素も加味した結果の合理的差別は許されると解されます。この場合、どの程度の較差が許容されるのか問題になります。
② 通説は、いかに非人口的要素を考慮したとしても、1:2が限度であり、それ以上の較差は違憲だとします(通説)。それ以上の較差は一人一票の原則に反することになるからです。
(ハ)違憲無効とされる選挙の範囲
違憲無効とされる選挙は、定数配分規定のうち問題のある選挙区に関する規定のみならず、定数配分規定全体が違憲となると解されています(判例・通説)。
(ニ)違憲判決の方法
① 合理的期間論
定数配分は、公職選挙法の配分表に基づいて行われます。その変更には公職選挙法の改正が必要となりますが、法改正は直ちにできるわけではありません。定数不均衡が判明したあと改正のための合理的期間を経過し、なお改正しない場合に違憲となるとするのが判例です。
② 事情判決の法理
それでは、改正のための合理的期間を経過し当該選挙が違憲となった場合に、いったん行われた選挙が無効となってしまうのか争いがあります。選挙無効とすると、当該選挙で選出された議員は資格を喪失することになり(前議員も任期満了で居なくなっている)法改正すらできなくなってしまいます。その不都合を避けるため、行政事件訴訟法31条のいわゆる「事情判決」の法理を適用し、違憲の定数配分規定に基づいて行われた選挙を無効とせず、違憲であることを宣言するに止めるのが判例です。
☆昭和47年衆議院議員選挙において、千葉一区と兵庫五区との間で1:4.99の較差が生じた。千葉一区の住民らが、投票価値の平等に反するとして選挙無効の訴えを提起した事件。
「衆議院議員の定数配分においては人口が最も基本的な基準となるが、行政区画、面積の大小などの人口以外の要素も考慮に入れることも許される」しかし、「投票価値の不平等が国会において考慮しうる諸要素を斟酌してもなお一般的に合理性を有すると考えられない程度に達しているときは、国会の合理的裁量の限界を超え、違憲である。1対4.99の開きは、国会の合理的裁量の限界を超えて選挙権の平等の要求に反する程度になっていたものといわなければならない」
「ただしこれによって直ちに議員定数配分規定を違憲とすべきではなく、合理的期間内における是正が憲法上要求されていると考えられるのにそれが行われない場合に初めて違憲と断ぜられるべきものであるが、この見地からみても本件の場合は、右合理的期間内の是正がなされなかったと認めざるをえない」
「選挙区割及び議員定数の配分は・・・相互に有機的に関連し、一の部分おける変動は他の部分にも影響を及ぼすべき性質を有するものと認められ、その意味において不可分一体をなすと考えられるから、右配分規定は、単に憲法に違反する不平等を招来する部分のみでなく、全体として違憲の瑕疵を帯びるものと解すべきである」
「(本件選挙が違憲の配分規定に基づいて行われたことを理由に無効判決を下してもかえって混乱が生ずる)・・・これを考慮するときは、本件においては事情判決の法理にしたがい、本件選挙は憲法に違反する議員定数配分規定に基づいて行われた点において違法である旨を判示するにとどめ、選挙自体はこれを無効としないこととするのが相当である」(議員定数不均衡事件 最S51.4.14)。
4 差別禁止事項列挙の意義
14条1項後段は特に「人種、信条、性別、社会的身分又は門地」による差別を禁止する。この列挙の意味については大別して二つの考え方がある。
(イ)単なる例示であるとする説(判例)
これらは単なる例示であって、それら以外でも不合理な差別は前段の原則によって禁止されるとする考え方です。
(ロ)限定列挙であるとする説
立法者非拘束説の立場に立つ学説は、後段に特別の意味を認め、後段列挙事由については立法者をも拘束するとし、これらを限定列挙だと考えます。
資格試験受験生のやってはならないこと。それは、あきらめること!