第四十一条
国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
司法書士試験・行政書士試験受験対策☆憲法条文↑
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司法書士試験・行政書士試験受験対策☆憲法条文解説↓
1 統治機構とその基本原理
統治機構の基本原理は権力分立と国民主権です。
(イ)権力分立
権力分立は、国家権力が一つの国家機関に集中すると、その濫用により国民の権利・自由が害されるおそれがあるので、権力を立法、司法、行政というように分離し、それを異なる機関に担当させ、相互に抑制と均衡を保たせる制度です。その目的は国民の権利・自由を守ることにあります。
(ロ)国民主権
また、国民の権利・自由を守るために、国民による政治という原理である国民主権が採用されています。
2 国会の地位
国会は、憲法上(1)国民の代表機関 (2)国権の最高機関 (3)唯一の立法機関という三つの地位を有します。
(イ)国権の最高機関
この「最高機関」の意味については争いがあります。
①統括機関説
国会は国民の代表機関として、内閣や裁判所の上に立ち、それらを統括する機関であるとする説です。
憲法の「最高機関」という文言には合いますが、権力分立の原則に反し、また国政の最高決定権は国民にあるとする国民主権の原理にも合わないと批判されています。
②政治的美称説(判例・通説)
最高機関に法的意味はなく、国会は国民に最も近い国家機関であるところから、国政の中心に位置する重要な国家機関であることを政治的に強調したものにすぎないとする説です。
(ロ)唯一の立法機関
「唯一」の立法機関であるとは、「国会中心立法の原則」と「国会単独立法の原則」を意味します。
①国会中心立法の原則
国会中心立法の原則とは、国会が立法権を独占し、他の機関による立法を認めないという原則をいいます。
国会中心立法の原則にも、憲法上例外が次のように認められています。
(a)議院の規則制定権(58条2項)
議院の自律権(他の機関から干渉されない権能)を確保するため、各議院に会議その他の手続及び内部の規律について単独で立法することが認められています。
(b)最高裁判所の規則制定権(77条1項)
司法権の独立や、事柄の専門性・技術性から最高裁判所に訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について規則制定権を認めています。
(c)政令(73条6項)
内閣に法律の規定を執行するため(執行命令)及び、法律の委任がある場合(委任命令)に政令の制定が認められます。その専門性・技術性からです。
(d)地方公共団体の条例制定権(94)
地方公共団体は、自治権を確保するため、その処理しうる事務に関し法律の範囲内で条例制定権を有します。ただ、地方議会によって制定されるものであるので、実質的には国会による制定と同じなので例外と見る必要はないとの説もあります。
(e)委任立法
委任立法とは、法律の委任によって立法府以外の国家機関が立法を行うことをいいます。これを認める明文の規定はありませんが、73条6号但書が間接的に認めていることと、専門的・技術的な問題については、立法府よりも行政機関等が立法活動を行った方が実際的であるという理由で憲法上認められていると解されています。しかし、国会中心立法の原則を侵すような、一般的・包括的委任は許されず、法律による個別具体的な委任が必要であると解されています。
②国会単独立法の原則
国会単独立法の原則とは、立法には他の機関の関与なしに国会の議決のみで法律が成立する原則をいいます。
国会単独立法も例外が認められています。
(a)地方自治特別法には、住民の投票が必要であること(95)は、その例外です。
* 「地方自治特別法」とは、一つの地方公共団体にみに適用される法律をいいます。
(b)内閣の法律案提出権
法律案の提出は立法作用の一部であり、内閣に法律案の提出権を認めることは国会単独立法の原則に反しないかが問題となっています。
(ⅰ)違憲説
法案の提出、審議、表決という立法の過程に内閣が入ることは憲法上許されないとする説です。
(ⅱ)合憲説(通説)
行政の専門化・技術化に対応するため内閣に法律案の提出権を認めるのが実際的であること、また、内閣に提案権を認めても国会はそれを修正・否決できるのだから問題がないとする説です。
③41条でいう「立法」とは、何かについて、争いがあります。
ここでいう「立法」とは、国会が制定する「法律」という名称の国法のこと(形式的意味の法律)ではなく、特定の内容の法規範の定立行為(実質的意味の法律)を意味すると解されています。次に、実質的意味の法律の具体的内容についてですが、これは争いがあります。
(a)法規説(狭義説)
国民の権利を制限し、義務を課する法規範をさすとする説です。
(b) 一般的、抽象的法規範(広義説・通説)
一般的(=不特定多数人の人に適用される)抽象的(=不特定多数の事件に適用される)法規範をさすとする説です。
肥大化した行政権に対する民主的コントロールを強化するために立法の範囲を広く解した方が良いと考える説です。法規説ではたとえば新たな行政組織を作る場合、行政機関の設置自体は国民の権利義務に関することではないから立法ではなく、従って内閣で組織して良いことになってしまい、行政権の肥大化に対する民主的コントロールが及ぼせないと批判します。
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