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第十一条その2

資格試験対策・憲法11条

 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

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●1 法人の人権享有主体性
人権は個人尊重の観点から、個人としての人間に認められる権利であるから、法人には人権がないことは明らかです。
 しかし法人についても「性質上可能なかぎり」人権規定が適用されると解するのが通説・判例です。法人の活動は自然人を通じて行われ、その効果は究極的には自然人に帰属することと、法人も社会において個人同様一個の社会的実体として活動していることが理由です。

(イ)法人に保障される人権の範囲
もともと人権は個人の権利として生まれ、発展して来たものです。それを法人に認めるとしても限界があります。自然人にだけ考えられる人権(たとえば、人身の自由・生存権など)は法人に認められません。

(ロ)法人に保障されない人権
① 奴隷的拘束及び苦役からの自由(18)
② 不法に逮捕・監禁されない権利(33、34)
③ 拷問及び残虐な刑罰の禁止(36)
④ 生存権(25)
⑤ 選挙権(15-Ⅰ)など。

(ハ)法人にも保障される人権
①宗教法人の信教の自由(20)、学校法人の学問・教育の自由(23)、法人たる報道機関の報道の自由(21)
②財産権(29)、営業の自由・居住移転の自由(22)
③請願権(16)、裁判を受ける権利(32)、国家賠償請求権(17)
④適正手続の保障(31)、居住の不可侵(35)
⑤ 平等権(14)など。

☆八幡製鉄の代表取締役が自民党に政治献金をしたことに対して株主が会社へ損害賠償をするよう訴えました。会社は政治活動の自由を有するのか、献金も適法かが争われた事件。
「国税等の負担を負う会社が、自然人たる国民同様、納税者たる立場において国や地方公共団体の施策に対し、意見の表明その他の行動に出たとしても、これを禁ずべき理由はない。さらに憲法第三章に定める国民の権利及び義務の各条項は、性質上可能な限り、内国の法人にも適用されるものと解すべきであるから、会社は、国や政党の特定の政策を支持、推進し又は反対するなどの政治的行為をなす自由を有するのである。政治資金の寄付もその自由の一環であり・・・これを自然人たる国民による寄付と別異に扱うべき憲法上の要請があるものではない」
「豊富潤沢な政治資金は政治の腐敗を醸成するというが・・・そのような弊害に対処する方法は立法政策にまつべきことであって、憲法上は会社といえど政治資金の寄付の自由を有する」(八幡製鉄政治献金事件・最S45.6.24)。

☆南九州税理士会が税理士法改正の運動資金として会員から特別会費の徴収を決議した。それに反対な会員が法改正運動に反対の意見をもつ会員からも強制的に徴収することは思想・信条の自由を侵害するとして争った事件。
「税理士会が強制加入の団体であり、その会員である税理士に実質的には脱退の自由が保障されていないことからすると・・・会員の思想・信条の自由との関係で、会員に要請される協力義務にも、自ずから限界がある。特に政党など政治資金規正法上の政治団体に対して金員の寄付をするかどうかは、選挙における投票の自由と表裏をなすものとして、会員各人が市民としての個人的な政治的思想、見解、判断などに基づいて自主的に決定すべき事柄であるというべきである。そうすると、公的な性格を有する税理士会が、このような事柄を多数決原理によって団体の意思として決定し、構成員にその協力を義務づけることはできないというべきである」。徴収決議は無効である(税理士会政治献金事件・最H8.3.19)。

⇒ポイント 法人の政治資金の寄付の自由(政治献金の自由)が、認められるか争いがあります。上の判例(八幡製鉄)は認め、下の判例(南九州税理士会)は認めていません。これは、税理士会は強制加入であることが大きな理由の1つとされています。税理士会のメンバーの思想良心の自由を害すると裁判所が判断したと考えられています。八幡製鉄は、株式会社ですのでそこの株主になるかどうかは自由です(任意加入)。八幡製鉄の政治献金が嫌なら脱退すれば、自己の思想良心は守ることができます。税理士会は、税理士は強制加入なので嫌でも脱退できないところが判決が分かれた理由の1つと考えられているわけです。

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