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第七十六条その3

1 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。

2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される

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司法権の独立とは、司法権が外部からの圧力や干渉を受けることなく、独立・公正に行使されなければならないという原則をいいます。裁判が公正にされるためには裁判所や裁判官が政治勢力や社会勢力から圧迫や干渉を受けないことが必要であるところから認められます。

司法権の独立には二つの意味があります。一つは司法権の立法権、行政権からの独立しているという意味(司法府の独立)と、もう一つは裁判官は裁判をなすにあたって独立して職権行使できるという意味です(裁判官の職権行使の独立)。

1 裁判官の職権行使の独立
76条3項を裁判官の職権行使の独立といいます。

ここでいう「良心」を憲法19条「思想・良心」でいうところの良心と同じ意味に解する説もありますが(主観的良心説)、それだと裁判官によって判決が変ってしまうので、通説は「裁判官としての客観的良心(職業倫理)」を意味すると解します(客観的良心説)。

2 裁判官の身分保障
裁判官の職権行使の独立を実効的なものにするために、憲法は裁判官の身分保障をしています。

(イ)裁判官の罷免
裁判官の罷免(免職)は、次の三つの場合以外は認められません。
①心身の故障
裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合です(78条前段)。
②公の弾劾
弾劾裁判所の裁判によって罷免される場合(68条前段)。
③最高裁判所裁判官の国民審査
最高裁判所の裁判官については、国民審査で投票者の多数が裁判官の罷免を可とした場合には罷免される(79条2項・3項)。

(ロ)裁判官の懲戒
裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行うことはできません(78条後段)。立法機関による懲戒も禁じられていると解されています。

(ハ)裁判官の報酬
裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受け、在任中減額されることはありません(79条6項、80条2項)。報酬の面から身分を保障したものです。

3 司法府の独立
司法府の独立は、他の国家機関(立法府や行政府)からの干渉を排除することを意味します。司法府の独立を定めていると解されている規定は以下のとおりです。

(イ)行政機関による裁判官懲戒の禁止(78条後段)
裁判官に対する行政権の不当な干渉を排除し、司法府の独立を保障したものです。

(ロ)下級裁判所の裁判官の指名(80)
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣がこれを任命します。最高裁判所の指名した名簿によることにして裁判官の人事に関する司法権の独立を保障しています。

(ハ)最高裁判所の規則制定権(77)
最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有します。司法運営に関する司法権の独立を保障したものです。

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